家族旅行に行ったんですけど、まずその、わたしは最低なんだ。プライベートの旅行に行きながら、ひとつのしごとのしめきりを破りました。このことはとても重大なので、この反省とおちこみを忘れないように文頭に書くのです。ばかやろう。
で、有馬温泉に行ったんですけど、すごくよかったんですがそのことはちょっとおいといて、泊まった翌日に家族とわかれて大阪に行って、土井コマキさんと再会&中村佑介さんと初顔合わせしたことをチラッと。
わたしは、周縁部とかへんなところには行ったことあるけど、大阪の街らしいところを歩いたことは全くないので、心斎橋駅と言われてもどこなのか見当がつかなかったりする。大阪の地下鉄たけぇなあとおもいながら御堂筋線で心斎橋。御堂筋線の心斎橋駅ホームって、地下鉄駅のくせにものすごく清々しい気があふれていませんか？ ふしぎです。こんなの感じるのわたしだけ？ 地下でこんないごこちのいいところって初めてですよ。
そんなわけで夕方、心斎橋で土井さんとまちあわせ、digmeoutカフェに行きました。すると、ピンクっぽい赤のカーディガンの中村さんがすでに席に着いている。いつも緑ばかり着てるけどきょうはカラフルにしてみたんだって。「おしゃれしてきたのー」とのことでした。うれしいなー。だってさあ、あの中村さんだよ。
土井さんはおなかがすいてたのでハンバーグプレートをたのんだ。中村さんはそれをずーっと見ている。「たのめばいいやん」と土井さん。「でもー昼に起きるからなぁ今食べちゃったらサイクル崩れんのよ」といいつつも、中村さんは1時間後くらいにハンバーグプレートをたのんだ。
店員さん「ご注文は…？」
中村さん「ハンバーグ!!」
すごいうれしそう。
ハンバーグはとてもおいしかったみたい。よかったです。中村さんの食べる姿はすごく画になって、わたしはもしハンディカムとか持ってたら、たまらず動画で撮ってyoutubeとかニコ動とかにアップしたかもしれない。あぶないところだった。
土井さんはライブのためにとちゅうで席を外してしまったのだけど、わたしは東京行き新幹線の終電ぐらいまで中村さんとグダグダとおしゃべり。伊集院さんのよさを語ったり、いままで会った有名人のことをミーハーに語ったり、そんなこんなで楽しい時間はすぐに過ぎますね。わたしがトイレに行ってもどってきたら、中村さんはなにやらペンとか無地のノートとか用意してる。「能町さんのにがおえ描くからぼくの描いてください」って。えええ。いいんすか!? そんなことしちゃっていいんすか？
わたしは注文どおり横を向いて硬直。5〜10分くらいだったかなあ。中村さんはきちんと、えんぴつで下描きをして、ペン入れをして、ペンも何種類か使って、まとまるくんで下描きの線を消して、すんごいしっかり描いてくれた。それがこれです。
うわーうわー。中村佑介さんににがおえ描いてもらっちゃった。テンション低いなりに興奮。しかもすごい美しく描いていただいて。似てるんだけど、美しすぎ。ほんものは10割減くらいで考えてください。10割減って、なくなっとるやんか！ オマエはー！（←麒麟の田村のツッコミのかんじでおねがいします。あんまり小気味よくないかんじで。）
それで、問題は、これに対抗して、ってべつに対抗しなくてもいいんだけど、わたしも中村さんに似顔絵を描くわけだ。わたしはかねてから友だちに、「能町がにがおえを描くと3割減になる」といわれております。堂々と言いますが、私はじぶんの絵はヘタだとおもってますけど、にがおえは苦手だとはおもってません。絵の技術としてヘタなだけで、それなりにいけてるんじゃないかくらいにおもってます。でも、にがおえを描いて本人に渡したとき、だいたいみんな眉間にしわが寄ります。「うわー！ ありがとう！」って言われたことが、本当にない。もう少し言ってくれてもいいだろうって思うくらい、ない。想像を超えてひどく描かれていることにみんなショックを受けるらしく、「せっかく描いてもらったんだからイヤな顔はしたくないが、これはないだろう」と万人が思うようです。それでもわたしは描きつづけるんだ。にがおえを。
そんな精神で、中村さんのにがおえを描いた。下描きなしでペンで一発描きなので、もうしわけないくらい労力をかけていません。中村さんが5分以上かけて描いてくれたのに対して、30秒くらいしかかかっていません。すごくキレイに描いてくれた恩をあだで返すような、初対面なのに堂々といつもどおりのひどい描線で描いた中村さんのにがおえは、こちら!!
ぜんぜん悪気はないんです。むしろわたしは「よく描けた」っておもいながらおそるおそる渡したんですけど、やっぱり中村さんも「せっかく描いてもらったんだからイヤな顔はしたくないが、これはないだろう」っていう顔をしてた。
中村さんごめんなさい。そしてすごく楽しかったです。わたしは前の日、旅行中なのに田中直樹に殺されるという悪夢を見て寝不足だったので、ちょっと体調が万全じゃなかったんです。次にお会いするときは万全で会いますので、おさけをのみましょう！ 酒！
