卵を

nomuch2008-12-07

冬らしくなりました。
我が和子荘の近くのおうちで、お父さんとお母さんとおばあちゃんと、幼稚園くらいの子どもが二人いるおうちがありまして、それはそれはきっと温かいスープなぞが出てくるおうちにちがいないのだが、12月になるとそこのうちが派手なイルミネーションを飾りつける。サンタさんの人形が複数ぶらさがって、壁づたいにのぼっていくような様子になっている。
帰るとき、私は必ずそれを目にしてしまいます。そして、毎回たいへんに、心をごそっと持っていかれて内臓がなんにもなくなっちゃったような気分で家に帰ります。彼らは悪くない。それは分かってる。今日は、パッとしないカップルがちょうどその飾りを見ながら、男のほうが「こういう家から税金をたくさん取ったほうがいいんだよ」などと言っていたので、わたしはますます蹴っとばしたくなった。男をじゃなくて。サンタさんでもなくて。卵とかを。
浅川マキのレコードをヤフオクで手に入れたので、久しぶりにうちのアナログプレイヤーが復権いたしまして、うちにある少数のアナログを隅から聴いてみたりするんですが、しばらく聞いていないものばかりなので、音飛びなども発生しました。さっき、「シングルスはっぴいえんど」を聴いていたところ、「さよならアメリカさよならニッポン」で音飛びが発生し、よりによって「さよーなら……さよーなら……さよーなら……さよーなら……さよーなら……さよーなら……さよーなら……さよーなら……さよーなら……さよーなら……さよーなら……さよーなら……」
それもよし。しばらく聴いていたのだけど、そのうち勝手に針が進んで、ふつうに戻ってしまった。
アナログプレーヤーは、父がはるか昔に買ったものをおさがりでもらったので、おそらく40年物ではないかと思います。だからといって価値があるわけでもないんでしょうね。音が悪いし。買い換えるにも買い換えられない。その第一の理由はクソ重いからです。はこびたくない。
そんな日々なんですよ。きょうも背筋を曲げていますよ。
もう少しアナログの思い出を語ろうとしたけど、やめた。
あ、そうだ、松本英子さんと飲んだことを書くんだった。
わたしはずーっと松本英子さん(イラストレーター。歌手にあらず)のファンだったので、どきどきでした。どきどきしていたのであんまりしゃべれませんでした。でも、最後のほうには松本さんがドンギマリな感じになっていて、かなり難解なことを私に示唆してきたのでした。わたしは、用語や専門の問題以外で、人の話に全くついていけない状態を久しぶりに体験した。たのしかったです。もう一回飲みたいです。


しゃしん:宇治山田の、気になった看板です