ふつうにっき

初めて見に行ったのですが(あやこさんありがとうございます!)、女子プロレスおもしれー。プロレスをまったく知らない私ですが、華麗な覆面レスラーRayとか宮崎有妃さんとか、ファンになりそうです。わたしは大相撲好きだけど、別に格闘技が好きなわけではない……つもりだったんだが、女子プロレスは楽しい。これはまちがいない。
そういや、おしゃれ親分の今回の髪はプロレスラーっぽいと言えばプロレスラーっぽい(しかも悪役)。おしゃれ親分の話はまた今度になりそうです。
あと、あぶらだこのライブに行ったんだが……、あぶらだこのライブがすごすぎて……。気が変わったので土曜のあぶらだこライブのことはちゃんと書いておこうと思います。
焼鳥屋のとなりにあるライブハウスで、入口のボードに「あぶらだこ」と大きく書いてある。その前には入場待ちの、百人以上の行列。そこを通りすぎる若リーマンが「あぶらだこってうめぇの?」と。
あぶらだこは焼鳥屋が出してる限定料理じゃないぜFUCK!!! でもLOVE YOU(複数形)!!!
あぶらだこのライブに行くのは3回目。いつもVo.ヒロトモさん(46歳くらい?)が出てくる前にインストの曲を1曲やってから始まるのに、今回は3人が出てきてからずーっとドラムが同じリズムを叩いているだけで、ベースとギターが何もやらない。
なんだこれは。なにか変です。何かが起こりそうな予感はしていた。(古参ファンは、この時点で1曲目が分かっていたらしい)
そしたら。
ドラムのフィルインとともにヒロトモさんが出てきてその瞬間に。
最近の雑誌のインタビューでヒロトモさん自らが否定気味に語っていた、25年も前の、わたしがまだ鼻水たらして幼稚園に通っていたころの、ヒロトモさんが髪の毛をおっ立てていかにもパンクをやっていたころの、ここ15年は絶対にやっていなかったであろう、もはや伝説と化したような激しいハードコアパンクの曲を、もう絶対に聴くことはできないと思っていた曲を、『米ニスト』を、「湯船の中で糞してくれ!!」で始まる曲を、40半ば(ひとりのみ30代)の、会社勤めをしている、既婚者の4人が、爆音で、おっぱじめた
!!!!!
いままで見たあぶらだこのライブというものは、最近の、へんてこりんだけど比較的おちついた曲ばかりやるので、客ものるにはのるけれども、かつてのパンクスのように暴れまわるようなことはまずなく、今日のお客だって絶対そんなことは予期していなかった。
84年のパンクの曲をヒロトモさんが絶叫し始めたとたんに後ろからなだれのように客が押し寄せ、波が生まれ、勢いづいて前に行った波が反動で後ろにはね返り、波はライブハウスの壁にぶちあたっては乱反射を続け、わたしたちはその波の打つままに右へ左へ押し飛ばされ、うっかりすると大ケガをしかねない状況の中で、いいようのない感動が襲ってきました。
いま2009年なのに、ここだけに80年代ハードコアがよみがえった。お客も完全に呑みこまれた。まさかあんなのが聴けるなんて。
彼らが若さにまかせて激しい曲をやっていたのは、くりかえすけれども私が幼稚園のころで、後追いもいいところの私がこの曲を生で聴けることなんてありえないはずだったのです。
かつてはパンクを聴いていたであろう、今は平日スーツを着て会社勤めをしているようなおっさんたちがこぶしをふりあげたり頭を激しくふったり、私とおなじような感動と人波に押し流されて、人目もはばからずバカになっている。
時間が30分押しのうえ、ワンマンなのにたったの35分。それでも2800円は安いと思った。28000円だと言われても払う。
客は嵐に吹かれる稲穂のような(たとえがクサいけれども、ほんとうに人で波が起こるのを初めて見たんです)大揺れをずっとつづけ、MCなどあるはずもなく、ぶっとおしのハードコアでまさに嵐のようにライブは終わってしまい、あとに残ったこの気持ちがなんだかわかりません。
まだ2月ですが、今年最高のライブなのはまちがいない。たぶんこれは破れない。もしかしたら一生破れないかもしれない。
79年生まれにあんな体験をさせてくれて本当にありがとうございました。


あ、それから今日わたしは誓っておいたほうがいいことがあるので、誓いましょう。
もう、もうね、書店の前をとおったときに、私の本がもしかしたら置いてあるかな♪なんて浮ついた気持ちで確かめようとするのは絶対にやめると誓う。ね、ほんとうにやめよう。新宿や池袋のジュンク堂くらい大きければきっと置いてるから、そこ以外では、もうやめよう。ほかんとこでは絶対に置いてねーから。毎回わかってるじゃん、「あ、この本は置いてるのに私のはないんだ……ふーん……」って気持ちになるじゃん。ね。ここにこの本があって、これもあって、それで私のがないってことは、……まさかもっと目立つ、店頭の新刊コーナーに!? いやそんなわけないよね、でも万が一ってこともあるし、……で、いつも絶対ないじゃん。ね。だからさあ、こんな稼業はね……
いや、いいんですよ。あぶらだこのライブが感涙ものだったから、そのことだけ余韻をウワンウワンって鳴らしていればいいんだとおもいますよ。
寒いね。逃北したし。


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