ふつうにっき

遁走してえ。
遁走したくなっちゃったわたしは秋風吹き始める9月の下旬だったか電車に乗ったんだなあ。西武池袋線に。いつだっけ。3年前くらいかなあ。
西武池袋線は、飯能というところでいったん終点ですが、そこから乗り換えると秩父の山奥のほうに行きます。わたしは山のほうに行きたかった。空気がきれいそうならどこでもよかった。
列車がのんびり山をのぼってゆき、あたりは森が増えはじめ。このまま秩父まで行ってしまうと、ちょっとした町になる。そこまで行ってはよくない。森しかないようなところに行きたい。
私は、てきとうな駅で降りました。なんという駅だったか覚えていない。無人駅ではなさそうだった。ひと気がないわりには大きめのホームがのっぺりと横たわっていて、地下におりる階段がある。おそらくそこを下りたら地下道を渡って改札に行けるのでしょう。でも行かなかった。
わたしはその無人のホームのベンチで、秋風に吹かれながら、読書をしたのです。
本を読んでいると、目の前に列車がやってきます。どの列車も、ドアが開いて、ドアが閉まって、また動いていく。それを何回かやり過ごし。ちょっとした高台にある駅からは、線路に沿った幹線道路も見渡せる。道路の向こうは森。家はほとんど見当たらない。やたらうるさいバイク群が通ったりもしたけれど、そのときは許せた。死ねばいいのにとか思わなかった。
本を読むのに飽きたころ、また列車が来たので、それに乗って帰りました。
あー。あれ、いい遁走だったなあ。
遁走っていうほどのアレでもないですけど。
そのときから私は「遁走&駅読書」を趣味にしようなんてはりきっていたものだけども、あれはほんとうに気候のいい時しかできないので、結局趣味としては定着していないのでした。ざんねんです。
あー遁走してえ。2月に京都に行こうと思っています。旅行? 旅行なのかな? たぶん旅行じゃないと思うんだけど。でも仕事でもない。せっかくだから旅行あつかいにしようか?
ま、行けたらいいね。行けるかどうか分かんないし。日にちも決めてないし。


モーニングの「能スポ」って、果たして何人が読んでいるんだろうか。ここを読んでくれている人なら何人かは読んでくれているのだろうか。雑誌連載って何の反応もないので、むずかしいもんですね。漫画家ってすごいなー。


しゃしん:まだまだ若草堂。「コーヒーとケーキ」って書いてあんの。かわいいですね。