夕張その1

夕張に行って来たんです。
私(親戚がすべて北海道)と、かまくらさん(北海道に住んだ経験あり)と、とよすさん(雪国育ちだけど北海道は初めて)の3人で。
ほかにも札幌のモエレ沼公園とか、十勝とか、いろいろ行ったんですけど、一部はわたしの胸にしまっておくことにして、夕張のことだけ書きますね。
私はマジメな意味で、夕張を応援したいのです。それは単なる情です。夕張が栄えてほしいというか、まあ現実的には前のように栄えるのは無理としても、そこそこ元気な街でいてほしいな、と。夕張に直接縁があるわけじゃないんですけども、道民の血を引くものとしてそう思っちゃうんです。だから、いつもは避けるけど、今回はお店の実名出します! みんな行って!!
そもそもさびれたところ大好きな私にとって、夕張はあこがれの地です。いちど行ってみたかった。今回はあんまり時間が割けなかったし誰も車を運転できないのでサラッとしか見れなかったんだけど(北海道を汽車だけで旅するのはド根性だろう。ふふふ)、それでもなかなかよかったです。もう1回行きたいなあ。
わたしたちは十勝方面からきて新夕張の駅に着きました。十勝では、この時期だというのに雪に見舞われた私たちです。夕張は雪ではなく軽いみぞれでしたが、そのせいで街はさらに暗く見える。夕張の街なかへは、ここで乗りかえて山の方へ行かなきゃいけないんだけど、その電車がなんと2時間45分待ち。事故とかじゃないです。本数が潰滅的にないんです。
だからとりあえず新夕張(というか、このへんの地名は紅葉山というらしい。かわいい)をちょっとぶらぶらします。
駅を降りると、「メロード」というスーパーがあります。夕張メロンだからメロードなんだね☆
お店のなかには思ったより人がいました。いいじゃない、さみしくないじゃない。見るからに旅行者の私たちにも、2コで150円のパンとかをふつうに勧めてくれます。
おなかがすいたのでごはんを食べるところを探したが、もともと紅葉山は観光地でもない小さな街だし、日曜だったのでお店も閉まりがち。というかお店自体が全部で3軒くらいしかない。1軒、栗下食堂というところが開いてたので入りました。ラーメンとかどんぶり物とかやってるところです。特に大きな期待はしてませんでした。
そしたらね。栗下食堂の味噌ラーメン、かなりうまかったんだけど。
栗下食堂→http://gourmet.livedoor.com/restaurant/319567/
次の日には、かまくらさんのすすめで札幌の味噌ラーメンの超有名店(木の名前のところ)に行ったんですが、正直いってそこよりもうまかったと思う。とよすさんもそう言ってたので、私の舌がおかしいわけではないはず。木の名前のお店も確かにうまかったんだけど、新夕張紅葉山の栗下食堂の味噌ラーメンはそこよりうまい。とりあえず札幌や帯広近郊在住のラーメン好きは栗下食堂へGO。新夕張は意外と近いからGO。がんばれ夕張。
そのあとは寒いので駅で1時間ほどだらだらして、やっときた夕張行きの汽車で一駅目におりました。沼ノ沢駅ってとこです。
沼ノ沢駅は、看板が落っこちていま……看板が……落っこちています……。がんばれ夕張。

沼ノ沢駅には、「おーやま」というレストランがくっついています。というか、駅員とかはいなくて、「おーやま」しかないです。
私たちは沼ノ沢近くの「夕張フォレストユースホステル」を予約していた。
この宿をさがすのも、けっこう難航した。まず、「夕張・ホテル」などで検索しても、いかにもスキーリゾートあるいはビジネスユースのホテルしか見当たらない。旅する私たちとしては、なにかしら味のある宿に泊まりたかったのです。最後の手段はタウンページ。ネットのタウンページで夕張市内の旅館を探すと、単なる○○旅館というものに交じってユースホステルが見つかったのです。なんと、夕張にユースホステルがあるとは。あらためてその名前で検索をかけると、財政再建だの予算切り詰めだのとは無縁のような、夢広がる感じの建物が見つかったのです。かまくらさんと写真を見て即決でした。
で、当初は駅から2キロほどの道を歩く気だったんだけど、みぞれ+強風なので気力がなえ、迎えに来てもらうことにしました。しかし何回電話しても、時間が早すぎるのか(といっても午後4時くらいです)いっこうに誰も出ない。しばらくおーやまで待たせてもらうことにしました。
お店においてある新聞記事を見ると、おーやまのご主人はもと帝国ホテルのシェフだったらしく(実家が夕張で、家庭の事情で戻ってきたらしい)、お茶だけで長居するのがすごく申しわけなかった。ネットのレビューとか見ても、かなりおいしいみたいです。とりあえず札幌や帯広近郊在住の洋食好きはおーやまへGO。沼ノ沢は意外と近いからGO。夕張がんばれ。
おーやま→http://gourmet.livedoor.com/restaurant/324086/
5時過ぎになって、やっとユースホステルに電話がつながりました。
着いたユースホステルは、森にかこまれた広大な草原の中にポツンと建つログハウスで、超いいよ!!! なにこれ!

↑これは翌朝5時の写真です。宿から見えるここぜんぶ敷地。ちょっと広さが伝わらないかも。残念。

↑森陰からのぞいてみる。私はニセロハスは嫌いだけどこういう純ロハスは大好物ですよ!
そりゃもう全員テンションも上がる。ここでちょっとしたイベントとかやるべきなんじゃないの? 交通の便もそんなに悪くない気がするし。
しかも日→月で泊まるから、貸切り状態です。
ごはんも超ハイレベル! 私はユースホステルに泊まるのが初めてだったのですが、いわゆるユースのイメージは完全にくつがえりました。

・アスパラ(自家製)とにんじんの揚げ出し
・ホタテと野菜の煮物
・新タケノコ(近所の人がくれた)とタコのカルパッチョ風グレープフルーツソース
・青菜のみそ汁
・いろいろ豆と豚肉のちょっと酸っぱめのソースで煮たようなやつ
(献立名は勝手に考えました)

素材の良さ(特に、野菜のおいしさは特筆もの)とあいまって、ほんとうにおいしいです。シェフはオーナーの奥さんだし、おそらく料理を専門に学んだわけではない素人シェフのはずなんですが、この完成度はすごい。しかもみなさま話し言葉からして生粋の道民で、北海道にあこがれてIターン、というタイプではないこともつい高評価してしまいます。ついでにいうとオーナーの愛娘エミリちゃん(仮名・5歳)もほんとうにかわいいです。ほいくえんのメロン組に通ってるんだって。夕張だからメロンぐみ!!
あまりにロハした環境と食事で、ついついロハした生活がしたくなり、ものすごく早く寝たらものすごく早く(4時)起きてしまいました。せっかくだから、5時くらいになって薄明るくなったころ、そのへんを散歩してみました。
そこらじゅうにふきのとうがボカボカ生えています。鶯が鳴いています。鶯しか鳴き声が分からないのが悔しい。ほんとうはもっといろんな種類の鳥が鳴いているのに。気温はたぶん0℃くらい。きもちいい。
朝ごはんも、なんと毎日手作りパンを焼いているのですって。焼きたてのパンと、自家製アスパラのサラダなどのシンプルかつ贅沢な朝ごはんをゆっくりいただく。さいわい天気も少し回復。エミリちゃんも朝からとっても元気。ぜんまいざむらいの歌をひとりで歌ってる。
大満足の宿を出て、いよいよ夕張市街に行きます。玄関先でエミリちゃんは、雪対策でかまくらさんが履いてきた水玉模様の雨靴を「それかわいいね」とほめてくれました。そして模様のついたわたしのバッグも「かわいいね」とほめてくれました。そのあと付け加えて、とよすさんのスニーカーのことも「かわいいね」とほめてくれました。人に気をつかえるいい子だ。
外のみぞれはやんでいるので、沼ノ沢駅まで歩きました。
つづく。


白シャツさん。夕張に住んでいたなんてうらやましい! シューパロのトラス橋は、着いてから存在を知りました。でも車がないからどうにも行けなかったなあ。田中義剛の工場にいたってはまったく知りませんでした。ろくにテレビ見てないんだな私は……。