今日の神保町

nomuch2008-08-05

まさか「今日の神保町」という題でもう一回書くことになるとはおもいませんでした。この題にあたいする事件を見てしまったのです。
あ、松井さん、1000000おめでとうございます!! 知らせてくれてうれしいです。いまんところなんにも考えてないんですけど、とりあえずオーソドックスなところとしては、8月にタイ旅行(手術)の本が出るので、それを差し上げましょうか……? あ、ええと、いらない……ですかね……? すいません、いらなかったらまたほかのことを考えます。
で、神保町ですよ。
ひどい雨にも遭ってしまったんですけど、それよりすごいのに遭った。あるいみ生涯初の。
神保町にね、あの、神保町好きならきっと誰でも知っている、ひじょうにおだやかでおちついた、ある老舗の喫茶店があるわけ。ちょっと名前は伏せるんですけども。私はあそこが好きなので、名誉のために伏せざるをえないんだけども。あそこで起きたできごとなんだよ。
あそこで私はきょう遅い昼食を食べてたんです。カレーをね。
お店に入ったときにチラッと目にした感じでは、せまい厨房の中にはわりと体つきのいい男性(丸坊主で、千鳥の大悟に似てる)と、奥に小柄な人(髪は肩にかからない程度で、遠くにいたので男女不明)がいたように見えた。
カレーを食べていたそのとき。
ガラガラガラガッシャガッシャバリバリバリバリガラガラガシャガシャバリバリバリバリバリー
と、明らかに「うっかり」ではない、尋常ではないほど大量に食器の割れる音がして、おどろいて厨房のほうを見ると、カウンター越しにさっきの小柄な人が見えた。
その人が、床のほうに向かってこぶしをふり下ろしまくっている。
カウンターの陰にはどうもさっきの坊主の人が倒れているか突っ伏しているもよう。その人にかぶさるような形で、完全に頭に血がのぼったようすで両こぶしで素早いパンチをパンパンパンパンくりだしている。無言で。
すぐに店内のほかの店員が「やめろ!やめろ!何やってんだ!やめろ!」とカウンター越しに制止しようとするが、カウンターが邪魔になって手が出せない。厨房はおそらく一帖ほどのせまさ。パンチはひたすら繰り出されている。お客は私のほかにも10人くらいいるのに、彼(彼女?)は周りをまったく気にせず殴りまくる。私を含めてお客はただ唖然とそれを見ている。
そのうち、オーナーとおもわれる方など、店の関係者がたくさん現われてどうにかカウンターの中に入ってその小柄な人を引き離した。かなり興奮している。ドラマやマンガでしか見たことないくらい興奮している。マンガによくある、羽交い締めにされながらも意地になって相手に向かっていこうとするそぶりを初めて見た(とはいえ、まったく叫んだりはしない。ずっと無言だった)。引き離されるまで、おそらく30発以上パンチを出していたとおもう。
坊主の人は案外あっさり立ち上がり、遠目ではまったく血も出ていないようで、どうも小柄な人の攻撃がほとんど効いてなかったようす。たしかに、必死で殴っている間も「ボッコボコ」というよりは「ポカポカ」という感じに見えた。(小柄な人はまったく声をださなかったし、前髪で顔が隠れていて最後まで男女どちらか分からなかったけど、こういうところからなんとなく女のような気もする)
「……殴ってどうにかなんのかよ」坊主の人が吐き捨てるようにいうと、羽交い締めになっている小柄はまた暴れて向かっていこうとする。坊主の人はわりと冷静だったけど、もちろん腹は立てていて「あがっていいスよね? やってらんないスよ」と吐いて、なだめるオーナーとともに外に出ていく。
ほかの店員さんはお客に平謝り。
突然あんなことが起きた原因は結局よく分からなかった。たぶんあの小柄なほうが、いろいろ細かな注意をされてうっぷんをためてキレたんじゃないか、とわたしは単純な推理をしているのですが。しかしあまりにも突然であまりにも激しいキレっぷり。
しばらくするとその小柄もおちついてきて、ほかのスタッフといっしょに割った食器の掃除を始めました(ちょっと意外だった)。
カレーは「お代はとてもいただけません、ほんとうに申しわけありませんでした」と言われ、タダになっちゃいました。
いやあ。よりによってあの穏やかな喫茶店で、あんな騒ぎを見ることになるとは。流血の事態ではなかったので、わたしはむしろ少しおもしろいとおもってしまいました(これも刺激だ。不謹慎)。しかし食器を相当数ムダにしたお店にはほんとに気の毒です。
あの小柄、なにものなんだろう。きっとクビだろうしもう見ることもないでしょうが……ね。ま、世の中そういう人は一定数いるでしょうけど、あんまり日本で日常お見かけしませんよね。あーすごかった。
あんなことがあったけど、私はあそこが好きなので、変わらず通うと思いますよ。
ええ、そんな、ふつうのにっきでした。(内容がふつうじゃないよ!)


しゃしん:鹿島鉄道の看板のフォントは抱きしめたいくらいかわいい。でも、しつこいようですがもう廃線だからないんです。