ふつうえいがにっき

nomuch2007-11-27

この日に、観客数2人という状況で映画を見たことを書きまして、これをやぶるにはもう1人で見るしかないのね、たいへんだ、などと書いたんですが、なんと今日達成してしまいました。
アップリンクです。
いま、ヴォイス・オブ・ヘドウィグという映画をやってんの。もちろんヘドウィグ・アンド・アングリーインチにちなんだものです。前作は見ていたんですけど、恥ずかしながら今作は知らなかったので、おしえてもらってよかったです。そして本日、平日昼の3時に行ったところ、観客が私ひとりだったのです。貸切っすよ。ぜいたくー。
アップリンク電力館の裏にあったころには何回か行ったことがあったのだけど、いまのところに移ってから行くのは初めてでした。でも、例のイスの感じとか、手作り感というのかカルト感というのか、そういうのは変わってなくて、うれしかった。
ヴォイスオブヘドウィグというのは、ヘドウィグのトリビュートアルバムを作る企画とハーヴェイミルクハイスクールの生徒たちの実態が並行して進むようなドキュメンタリー映画なんですけども、それなりに音楽好きの私であってもやっぱりミュージシャンよりも生徒たち、それもMTFの子に目がいってしまう。
うーん、弱いんですよ。その子が。
ほかにもゲイ1人レズビアン2人が出てくるんだけど、1人をのぞいて家庭の理解度は最悪に近くて、それでもみんな基本的に強い。特に体格のいいレズの子の強さはハンパじゃない。何がわるいんじゃあ、あたしはしっかり生活するんじゃあ、といういきおいで好きなことをしている。もちろん親との確執はそうとうなもんだとおもうんだけど、突きすすむ力できっと忘れられている。
それにくらべるとMTFの子めっちゃ弱ぇよ、と、私はこの立場であるゆえにおもってしまうんです。たしかに親はダメだろうけども、パッと見ふつうに女子に見えるし声も問題ないレベルだし、ふつうにやっていけるじゃん。めそめそして誰かに助けてもらおうなんておもってる時点でうまくいかんよそりゃあ。アタシは心が女だとかそんなしょうもない思いこみ(←あえて言ってやる)にあぐらをかいて泣けばいいとか自傷すればいいとか、そういう女々しいのがわたしはきらいなんだ。わたしが世のMTFどもにどうも共感を持てないのは日本の人たちにかぎった話じゃなくて世界共通のことかもしれないんだなあ、とおもった。
それにしても、アメリカを映像で見るかんじだと「ホモは神にそむく悪徳」って胸を張って反対運動をしたり、ゲイなだけで殺されそうになったり、まだまだひどいですよね。たしかに法律上は進んでるのかもしれないけど、日常での差別のひどさは日本なんかと比較にならないよ。そういう現状を知らないで「アメリカ進んでる、日本遅れてる」ってリピートするかたがたはなんだかなー。日本の「なんでもなんとなく受けいれちゃう」気質はすっごい好きだ。
まあその、オススメですので、ぜひどうぞ!
そのあとはちょっとおもしろい取材だったのですが、それはお仕事として形になったときに書こうっと。


しゃしん:今日やっと長年ためこんだ資源ゴミが出せてうれしいので、出す前の記念に。スポーツ紙は千秋楽の翌日だけ、たまに買うことがあります。さすがにふだんは買わないってば。あと、家のボロさはこの写真だけでも分かるであろう。好きなんですこれが。